◆ ベルギー カラーダイヤモンド買い付けレポート 2004年9月 Page: 1 2 3 4


もう一度読売新聞社説に戻ろう。
19日付けのタイトルは 『 何が選手たちの真の望みか 』 であった。
しかしまあ何度も呆れるが、ファンや選手を 「 へ 」 とも思ってない傲慢さが顕著やねえ。古田が涙流してファンに詫びている姿に対して 『 何が望み 』 とは一体どういうことであろうか。読売こそ真の望みは何なのかハッキリと言える物なら言ってもらいたい。いや、決して言えはしない、そこにあるのはファンを無視したエゴがあるだけ。スト直前、金曜夜の交渉経過を詳しく聞くと、読売を除くセリーグ5球団は来年からの新規参入に賛成の意向だったとか。しかし、強硬に反対意見を述べた読売、西武、近鉄、オリックスに押される形で選手会に対して “ 0回答 ” がなされたと伝わっている。結局のところ、シナリオは最初の通りだ、近鉄とオリックスが球団を潰す、その後どんどん球団数を減らして読売と西武が引っ張る形で1リーグへと移行、その筋書きを進めるためには来季からの新規参入なんてとんでもないと言うことである。

来季からの新規参入に対して、「 慎重が上にも慎重を 」 という主張であるが、多くの有識者たちが来季からの参入にあたっての審査は十分可能と言っているのに門前払いを食らわす姿勢こそ問題ではないのか。確かに、日拓、太平洋クラブ、クラウンライターなど短期で球団を放り出した企業もあった。しかし、彼らが野球界にどんな大それた迷惑を掛けたというのか。八百長は西鉄ライオンズの選手たちだった、江川問題を起こしてプロ野球人気を大きく下げたのは読売だった。彼らはそんな大それた事件は起こしてないはず。それに、現在の組織の中の親会社は国民皆から尊敬されるような立派な企業なのかよく考えてみるべきだ。食品会社でありながら故意に偽りの表示をしていた日本ハム、中小企業ならとおの昔に倒産しているダイエー、これらが審査に審査を重ねた上で参入を許可した企業というのなら全くお笑いだ。
イメージ画像
また、審査に審査を重ねるとは結局何を調べることなのか、何が基準なのか?
基準なんて相対的なもの、読売の論理で排除したいものは基準に合わないとなることは明々白々、読売が慎重が上にも慎重をという言葉は新規参入を拒むと同義語、それが目に見えるようであるから選手会がストをやり70%を越えるファンが後押しするのである。
ナベツネは選手会の署名活動に対して 『 大衆迎合はよくない 』 と発言していたけども、驚くべき思考のズレだ。野球は政治や外交ではないのである。大衆に支持されなくなったら終わりだろう。まさにクソ野球オンチ・ナベツネの本領発揮というべきか。

プロ野球界全体の繁栄を考えるのなら、人気も実力も読売一極集中は全くよくないのが明かなのに、ナベツネが目指しているのはまさにそれ、回顧V9時代。
オールドファンは思い出して欲しい、読売が圧倒的に強かった時代、他球場がどんな寂しいものであったかということを。
ウッキーが初めて甲子園に行ったのは昭和40年(1965年)だった、この年から読売の九連覇が始まるのだから何とも皮肉なことであるねえ、一塁側のベンチの後ろ10段目くらいに席を取ってね、もちろん前売り券じゃない、当日に球場へ着てから窓口で、しかもほとんど並んで待つという事もなくオヤジがチケット買うのを横に立って見ていた記憶がある。
当時は今と違って外野席に強烈なトラキチどもが陣取るということもなくてね、また、ファウルがよく飛び込んで危険だからアルプススタンドは閉鎖されたままだった、‘カキーン’という打球音がよく響いて雰囲気が感じられたけども、結局はガラガラのスタンドだった。巨人に続いての人気球団である阪神がこれだから他の球場は推して知るべしだ。学生時代、甲子園に次いでよく足を運んだ阪急・西宮球場、外野席の無料券が時々手に入ったものだから定期的に行っていたのだが、ここは本当にヒドかったね。当時の阪急ブレーブスと言えばパリーグ覇者。福本、蓑田、加藤、マルカーノらの強打線に加えて山田、足立、今井、山口らの錚々たる投手陣。にもかかわらず、スタンドは・・・??? ある日、1、2,3・・と数えたことがある。修学旅行の団体が2つ、それぞれ50人ほどだった、そして一般が同じくらい。合計約2百人、2百人ですぞ! プロ野球チャンピオンチームのゲームが、平日の肌寒い折のナイターとは言え2百人じゃーーー!
だみ声のオッサンが内野席で野次る声が100%外野席にまで届いてきてね、そりゃもう風情があるというか、ある意味ほのぼのとしていたねえ、寂しいに違いないけどな。
今日このような球場はYahooBBスタジアムくらいのものだろう。ロッテの千葉は満員になることこそ少ないけども、熱心なファンで活気あることは周知のこと。札幌は新庄効果で凄い盛り上がりだ。
甲子園、福岡はほぼ毎試合満席状態だ。
球団の経営者はこのような現象を何故もっと積極的に見ようとしないのか。そしてもっと自信を持つべきだ。巨人戦頼みしなくとも十分観客を集められるのである。

いつまでも読売のブラフに付き合う必要はない。
Jリーグのように工夫と努力でもっと観客は増やせるはず。また、読売主導の解決では何年か後に同じような問題が起こるだけというのは日を見るよりも明らか。
読売、ナベツネの圧力やブラフに屈することなく本当の意味の討論でもって解決策を見出し、その後に野球に対して知識の豊富な権限とパワーを持ったコミッショナーを選任すること、これが生き残る道であろうし、これが出来なければ野球界は確実に衰退へと向かうに違いない。

経営者側がバカな点はもう一つある、今回の出来事で早期の新規参入を呑む替わりに選手年棒の引き下げ、あるいは抑制を逆に選手側に呑ませることが可能なはず、ということだ。
日本の場合、最低年棒というのがあって、これがまた結構高額でね、500万だったかな、球団寮に住む18歳の高卒ルーキーがそんなに必要か、ちょっと考えれば分かることなのにな。また、入団5年経過するまでは一定の割合までしか年棒が上がらないというような取り決めも出来るはずだし、問題の多かった複数年契約の破棄など等、選手側に呑ませることによって経営者側にメリットが多いことをこの際全部やっつけてしまうことは取引条件として魅力的というよりも、ウダウダとゴネて世間の印象を悪くしている現状を考えるなら、それの方がよほど経営にプラスになるというもの。
それらの給料抑制策を選手会が受け入れずに再度スト決行ということになれば今度は経営者側が世論を味方につけることが出来るはず。
こんなことも考えられぬ経営者たちっていうのは一体どんな頭しているのかねえ、老害もここまでくると社会全体の敵やな。

楽天、ライブドアという二つのIT関連企業に近鉄とオリックスが何故球団を売却できないのかというのは誰しもが考えることであろう。
合併によって生まれる新球団に関しての発展的建設的な発言やプランというものが全く聞こえて来ないのはどういうわけなのか、耳に入ってくるのはバカヤローどもの苦しい弁明、自己弁護ばかり。結局のところ、仕方なしの合併と球団保有という図式が浮かび上がっているだけ。
持ちたい会社が持てなくて持ちたくもない会社のお荷物となるのであるならこれほど野球にとって悲しいことはない。
考え直して再度決断するに今からでも決して遅くはないと思うのであるが。
闘将も言っていたが、無能無策のコミッショナーが辞める前にせめて置き土産していけよと言いたいね。

最後にウッキーからの提案だ。
楽天、ライブドアは実際プレーする選手がいないから買収以外では球団は持てないという意見もある。しかし、そこを逆手にとって外人選手ばかり集めてきてスタートするというのはどうだろうか。アメリカのみならず南米、韓国や台湾にも優れた人材が目白押しだ。当然ながら他球団も外人枠を撤廃する。となればレベルはもっと上がるし、行く末はメジャーのプレーオフに日本のチームが2つ3つ参加できるようにもなるだろう。
どうや、ExcellentFancy なアイデアやろ!!

前のページ

◆ Back Number ◆
2005.07 Cut & Polished in Belgium
2005.04 ルフトハンザで出国
2005.02 オリーブの漬物
2004.11 ベルギーの初冬
2004.9 上手なブラフの使い方?
2004.8 2004アジアカップ
2004.4 ゴールデンウィーク に オランダ を想う・・・。
2003.11 Believe me!
2003.7 Vacances!
2003.5 日本とベルギーの規範
2003.3 ベルギー名物と言えば
2002.9 空港のネーミングについて
2002.5 ワールドカップ
2002.3 ひな祭り
2002.2 ユーロとトラブル
2001.12 プリンセス雑感
2001.11 ニューヨークの思い出
2001.9 不景気とは
2001.7 女子テニスプレーヤーというのは宝石だらけで戦っている・・・。
2000.4 ファンシーカットの好みは各国でかなり違うようだ・・・。
2000.2 天然の物が相手になるがゆえのつらさ、というのが常にある。
1999.12 私はダイアモンド業界ではゴルフの世界の尾崎みたいなものだ、といって自己紹介することにしている・・・