◆ ベルギー カラーダイヤモンド買い付けレポート 2004年4月 Page: 1 2 3 


親愛なるはウッキーと同世代、正確に言うと二つ年下なのだが未だに独身、女嫌いなのかというと全くそんなことはなくて、風采が上がらないから女にもてないのかというとそれも違う、常に誰かと半同棲みたいな生活を送っているホンマ羨ましい独身貴族なのだ。奴の女性の好みに関しては全く興味ないので S の彼女に会いたいとは一度も思ったことはないのだが、時おり一緒に食事とかっていうようなホンマにメンドくさい状況に陥ってしまう。まあこれも仕事の内と割り切ってはいるが、正直言って疲れる。どうしてって? 適当に話をあわせながらニコニコしてたらええだけやないか、って? まあそういうことなんやけども、そこはやはりインターナショナルビジネスマンでジェントルマンを自負するウキ氏、ディナーで女性を退屈させたり白けさせてはいけないと結構一所懸命にオシャベリするのであ
る。それにまた話がはずんだところで、口説くわけにもゆかず、レストランを出れば S と仲良く腕組んで消え去っていくのだから、残されたウッキーの疲労感はいやがおうにも増してしまう、というわけなのだ。
今回は、日本人女性と別れて2年ぶりに新しい彼女、ウッキーが知るかぎりではこの10年で4人目、日本の首相並みに入れ替わりが激しいのだが、今度の新総理、、ではなかった S の新彼女、ごくノーマルなベルギ

ー女性、とりたててベッピンさんと言うことはないにしろ、なかなか知性もあって雰囲気もある。よくぞこんなのが空家でいて S とくっついたなと思わないでもないが、 S を取り巻く我々バイヤー連としても S の精神的な安定は非常に重要な事項であるからして素直に喜んではいる。
さて、そんな彼女、E さんと呼んでおこう、食事の真っ最中にいきなり 『ゲイシャってどんな人?』 と来たものだから、ウッキーはパスタが喉につっかえて窒息死しそうになったあげく、逆流して鼻から出そうになってしまった。
冗談やないでえ、ホンマ!
ゲイシャ = 芸者、
江戸時代の初期においては剣の達人、武芸者のことを言っていたそうであるが、侍たちの多くが本来の役割を果たさなくなってきた江戸中期以降、踊りや三味線、歌の上手い女性を言うようになったとのこと、現代の芸能人やね。

テレビやラジオのない時代である、政府高官や富商たちは芸者を酒席に招いての音曲・舞踏を何よりの楽しみとしていたに相違なく、彼女達がそのようなパワフルな男たちのお抱えとなるのは自然な流れであろうし、また一方で、芸がなくルックスだけでお座敷に呼ばれる女達も時代の流れとともに増えていったに違いなく、芸ごとに励む必要がないからそれの方が手っ取り早いわけで、いつの間にやら芸のない芸者が夜の主流になって
しまったのは仕方のないところ・・・・、
なんていうような説明はディナーの場でとっさに出来る訳もなく、ひたすらウッキーは E さんの問いに泡を喰って右往左往、やっと絞り出した言葉は 『とりあえず、我々ノーマルな庶民には関係のない女たちで、正直よくわからない・・・』 であったのだが、E さんは一体何を思って・・・、恐らく、しょっちゅう東京事務所に出張する S である、夜な夜なウワサに聞くゲイシャを横に侍らせて・・・、な〜んていう大きな勘違いをしてたのやろうねえ、ホンマなんちゅうこっちゃ!!

皆さんはゲイシャと聞いて、「そんなあ、まさかー」と思うかもしれないが・・、
ホンマ情けないことにこれが現実だ。

就任早々の宇野首相に芸者の愛人がいたことが発覚、『明鏡止水』 という名言を残して在任わずか40日ほどで退陣したのは我々の世代にとって実にショッキングな出来事だった、ちょうどバブルの頃だったろう、あの時は海外でブローカーに虐められてね、日本人バイヤーと見るや 『ハーイ、this is Geisha Priceね』 (全く意味不明なんだが)なんて言ってくる、ホンマに情けなくて悔しくて涙が出そうだった。
やつら欧米人はそんなつまらんことをいつまでも覚えていて取引において撹乱戦法として使ってくるわけや。ミッテラン仏大統領なんか堂々と愛人同伴でコール独首相と朝食会談やってたのが新聞に出ていたのに。同じ頃、フランスの首相はクレッソンとかいうオバさんでね、ミッテランのコレ(小指)だなんて言われていたしね。宇野氏のスキャンダルはアメリカのマスコミから暴露されたものだったが、なんであんなふうになってしまったかというと、首相に就任する直前の外相時代にパレスチナを訪問しての親アラブ発言、これがアメリカのユダヤ人たちの怒りを買ったということらしい。日本人は、外交なんて耳に心地良い言葉
を並べた上に銭を積んで置いてくればこと足りる、と勘違いしているから宇野氏のように身を滅ぼす事となってしまう。現外相の川口女史も、いつだったかアラファトと会談して満足げな顔していたが、おいおいそれはないやろ、というのが我々の見方だ。あんなテロリストの代貸と、ホンマどういう意図なのか全く意味不明、仮に日本独自に中東和平を進めるという大それた考えであるとしたらお笑いでしかない、同じアジアというカテゴリー
に属しているとは言えほとんど地球の裏側、地政学的にも民族的宗教的にもほとんど無関係と言っていいほどの日本の言うことを2,000年以上あんな感じでドンパチやってる奴等が聞くわけがないのである。人道ということであれば別の機関に任せればよい。外相自ら出かけて行って何億円置いてきたのか知らんけども、結局のところ川口女史はアラファトとのツーショットが欲しかったのだろうね、しかし自身の売名行為のために国民の税金使っているわけで、全くいつまで経っても・・・・・。
えーっと、何のお話やったかな? またまた大きく横道にそれてしまったが、そうそうゲイシャのお話ですな。
宇野首相のスキャンダルから20年近く過ぎて、もう ゲイシャ なんていうのは海外でも死語になっていると思っていたのだが、意外なところでまたまた遭遇、ホンマ難儀なことでっせ。

しかしね、外国人にいつまでもこのような誤解を与えているのはやはり日本政府の努力不足と宣伝下手のせいなんだなあ。

アントワープのホテルで CNN を眺めていたら “ INVEST JAPAN ” (日本へ投資を) という日本政府発注 (に違いない) CM が On air されているのと遭遇。
富士山をバックに‘のぞみ’ が走る、大都会の喧騒、有名な企業経営者と日本が誇るハイテク製品群、最後は首相のご挨拶、いつまでも代わり映えしないこの手の映像、誰が製作したのかよく判らんけども、海外で生活する日本人が見てどう思うかと考えると何ともやり切れなくなってしまう。
15年くらい前に、仲良くしていたインド人のダイヤモンドディーラーに言われた言葉なのだが、もちろん冗談っぽくであるが何割かの本音も入っていたに違いない“世界に対して日本が貢献しているのは自動車とカラオケだけ”というのがフッと頭をよぎって思わず苦笑だ。
もちろん、ケイタイやロボットや自動車産業は日本人が胸を張って自慢できるものに違いないのだが、そういう無機質なものでもって外国人の心を捉えることが出来る
と考えていたとしたら大きな問題である、外国人を舐めてると言われても仕方がないし日本人に対しても全く失礼なことと言わざるを得ない。
日本がケイタイとかデジカメに代表される小型のハイテク機器によって世界を席巻できたのは巷の技術者や職人の努力によるところが圧倒的であり、それらの有能な人材を培ってきた土壌というのはこの20年や30年で出来るわけもなく、職人技が磨きを掛けられた江戸時代まで遡らずには言及できないのである。黒船のペリーさんが江戸末期の職人技に驚嘆し 『日本は将来、工業でアメリカの脅威となる』 と予測したのは有名な話であるし、それがまさに現実の事となり不幸な歴史を経、東京や大阪の下町ハイテク零細企業が NASA の宇宙船部品を請け負ったりしているという事実は、何百年という職人芸の集積の結果であり、日本人の DNA に深く刻まれた匠の技が世界に評価されているということなのであるが、多くの日本人がこれを失念してしまっている現実は誠に悲しいとしか言いようがない。
彼ら匠の姿を映像に登場させたらどれほど外国人に対してインパクトがあるか、そういう思いにとらわれるのはウッキーだけではないはず。
本当に人を惹きつけるのは文化であって物質ではない。
いつまでも “ フジヤマ & ゲイシャ ” のイメージから脱しきれず、顔のない国と評される日本なのに政府自らあのようなCMを作らせてたらアキマヘンわな。

それにしても、その CM に登場していた中で日産のゴーン社長が一番印象に残るというのは何とも皮肉やねえ。
ウッキーの悩みは尽きない。

・ ・ ・

イラク人質問題で激辛トークをと意気込んでいたのだが、あまりにもレベルの低い問題、そして無事に帰ってきたクソ野郎たちの不遜な記者会見に呆れ果てて、もう言葉もおまへん。
向こうでは 『カネほどの使者はない』 という格言があるそうですな、20億とも30億とも言われる彼等の救出活動に掛けられたお金であるが、ホンマあれこそドブに捨てた方がマシだったね。
朝日新聞や筑紫哲也なんかの反日マスコミは奴等が無傷で帰ってきてさぞやガッカリだったろうな、彼等が虐殺された時のために嬉々として準備していたであろう原稿がボツになったのだから。
いろいろと謎は多いし、彼等の自作自演という可能性もまんざらではなさそうだが、一つだけはっきりしていることがある。
18歳の今井君ね、落ち着き払ってとても18とは思えんね、
あのキショク悪い視線、あれにはイラクの誘拐団も大いにビビッたことやろなあ。あんな奴が将来わけのわからん新興宗教の教祖になるのやろな、おーーコワ。

自己責任。
今年の流行語大勝間違いなしや。
今井よ、郡山よ、もう1ぺんイラク行って立派に死んでこい、そしたらウッキーは評価したる。
キミ等を同じ日本人として認めたくないという国民が大多数だということを忘れないようにしろよ。キミ等の唾棄すべき行動は、多くの苦難をものともせずに活躍している多数の日本人海外在住者に誠に失礼と言う他ない。

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◆ Back Number ◆
2005.07 Cut & Polished in Belgium
2005.04 ルフトハンザで出国
2005.02 オリーブの漬物
2004.11 ベルギーの初冬
2004.9 上手なブラフの使い方?
2004.8 2004アジアカップ
2004.4 ゴールデンウィーク に オランダ を想う・・・。
2003.11 Believe me!
2003.7 Vacances!
2003.5 日本とベルギーの規範
2003.3 ベルギー名物と言えば
2002.9 空港のネーミングについて
2002.5 ワールドカップ
2002.3 ひな祭り
2002.2 ユーロとトラブル
2001.12 プリンセス雑感
2001.11 ニューヨークの思い出
2001.9 不景気とは
2001.7 女子テニスプレーヤーというのは宝石だらけで戦っている・・・。
2000.4 ファンシーカットの好みは各国でかなり違うようだ・・・。
2000.2 天然の物が相手になるがゆえのつらさ、というのが常にある。
1999.12 私はダイアモンド業界ではゴルフの世界の尾崎みたいなものだ、といって自己紹介することにしている・・・