古今和歌集ダイヤモンド語訳
ところで、何故この時期に古今和歌集なのか? けれども、幸せなことに我々には古今和歌集が残されているのです。
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古今集写本 |
貴女の艶やかな美しさ、簾の陰でも分かります。 まずは平安時代を代表するプレイボーイ・在原業平の歌から。
私はIntenseでもVividでもございません、 業平の歌に対しての返しです。
恋もダイヤも封印します。神に誓います。禊でもなんでもして必ず誓いを守ります。 川に浸かって禊までしても止められないのは神様がそれを聞いてくださらなかったから、というようなメチャクチャ勝手な解釈も可能な平安時代です。
忍ばず、忍び、忍ぶ時・・・、 現代から見るに、自由奔放な平安時代の恋愛。チラリと見ただけでも文(ふみ)や歌を贈るような積極果敢なイケイケ集団。一体何を‘忍んで’いたのか解りかねますけども、ひょっとしたら彼らは忍ぶ恋に憧れていたのかもしれませんね。
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小野小町 |
心傷つく深い恋、我を忘れる深い濃い。 赤く燃えてしまうと私が私でなくなってしまう。
思ひつつ 寝ればや人の 見えつらむ 夢の中のColorダイヤ、やはり夢の中だけのもの。 小野小町さんの歌でございますが、この時の彼女は夢の中の架空の男に恋しているのかもしれませんね。
いとせめて 恋しきときは うばたまの 切なくて、切なくて眠れぬ今宵の胸のうち、 これも小町さん。やっと現実の世界で理想の男に出会えたか?
君恋ふる 涙しなくは 唐衣 紅に燃えるFancy Red、人を想うFancy Color。 紀貫之らしい高い技巧と評価されております。
越えぬ間は 吉野の山の 桜花 貴女の美しさはFancy Light Pink、吉野の桜のようだと人は言います。 これも紀貫之です。
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紀貫之 |
いざゆかん、ふたりで味わう恍惚の調べ。 在原業平。
みるめなき わが身をうらと 知らねばや 受けて立ちます、百夜通い。 小野小町の歌。
有明けの つれなく見えし 別れより 別れ惜しみ、ふたりで見た有明けの月。 壬生忠岑。 |
逢坂の関 |
こりずまに またもなき名は 立ちぬべし 人にくからぬ 世にし住まえば 後悔しても遅うございます。 これまで密かに会ってきて及び腰の男(在原元方)へ、相手の女性から歌でのきつ〜い督促?でしょうか。
しののめの ほがらほがらと 明けゆけば 明るくなった東の空、 一夜をともにした翌朝の男女を後朝と書いて『きぬぎぬ』と言いますけども、朝になってお互い着物(衣)を着なくてはならない、というのが語源らしいですな。きぬぎぬと言うからにはやはり絹(きぬ)の衣(きぬ)なのでしょうか、
寝ぬる夜の 夢をはかなみ まどろめば Brownish? いえOrangish? 、はたまたPurplish? 在原業平。
かきくらす 心の闇に まどひにき ダイヤのような色艶に、理性なくした昨夜の出来ごと。 ムカつきついでに在原業平をもうひとつ。
限りなき 思ひのままに 夜もこむ 私の夢先案内はオレンジッシュなYellowダイヤ、 平安時代はホント色々勝手な解釈を楽しんでいたようですけども、
陸奥(みちのく)の 安積の沼の 花がつみ たまにしか会えぬがゆえの恋しさなのか愛なのか。 “花がつみ”とは野性の花菖蒲であろうということ。
春霞 たなびく山の さくら花 華やかな色艶ばかりが花じゃない。 流石に、春の情景を歌わせたら屈指の達人、紀友則さんですね。
いで人は 言のみぞよき 月草の 人の言葉はtreated、染めたダイヤのようなもの。 月草とは今の露草だそうですが、その花で染めた藍色はすぐに剥げ落ちたとか。 |
逢坂の関 |
カラーダイヤも、お手紙も、貴方様のお気持ちたくさん頂戴しました。 高貴な家系の娘で、宮廷の女官であった藤原因香(よるか)さんの歌。
色見えで 移ろふものは 世の中の 心の色は変わりやすいけれども、 そうなんです、天然のカラーダイヤだけは永遠に同じ色、人を裏切りませんよ。
・ ・ ・ いかがでございましたでしょうか、 まだまだ浅い読み方のウッキーではございますけども、一応この古今和歌集の恋歌、360首全てに目を通しまして、あれこれと思いを巡らせました。まず言えるのは、 しかしね、ダイヤモンド語訳なんて言ったものですから、なんとかして平安貴族にダイヤを着けさせなくてはならないし、ダイヤを意識させないといけない、そういう制約の中であれこれと恋愛の情景を想像しておりますと、彼らは流石に平安貴族、世の中のきらびやかなものとか、お洒落と言われるものは全て似合いそうなんですね。そして、ダイヤモンドなんて着けているのが至極当然のように思えてくる不思議さ。これにはウッキーも驚いてしまいました。 歌を読んでいるだけで色んなことが分かってくる楽しさというのもありました。在原業平のプレイボーイぶりなんてね、今日びの芸能人の恋愛が幼稚園児の“ままごと”に思えてくるほどですし、小野小町のイメージが覆されるようなメンタルの奔放さ、あるいは、紀貫之の歌の才能を鼻にかけた様な“いけすかぬさ”等など、歌とダイヤを通して時代を飛び越える楽しさですね、そういうことがホンマのFancyなのだろう、 |
◆ Back Number ◆ | |
第20話 | UKIカラーで綴った枕草子 |
第19話 | 古今和歌集ダイヤモンド語訳 |
第18話 | 2006W杯 × Fancy Color |
第17話 | That's Baseball |
第16話 | トリノの余韻 |
第15話 | “The Aurora butterfly of Pease” |
第14話 | Fancy June ... |
第13話 | ウッキー夜話 |
第12話 | 『春のダイヤ人気番付』 |
第11話 | 2003年 南船場の秋 |
第10話 | 「白シャツ」と「白ダイヤ」にご注意。 |
第9話 | 初詣 |
第8話 | 秋 |
第7話 | 日本の色 |
第6話 | オリンピック随想 |
第5話 | お正月に想う |
第4話 | ブルーダイヤ、高価とは聞いておられるでしょうがどれほど高価なのか・・・ |
第3話 | 同じ赤でもピンクダイアとルビーではかなり色に違いがあります・・・ |
第2話 | 新しい「誕生ダイアモンド」なるものを設定・・・!! |
第1話 | 『fantasy』で『fantastic』な『fancy world』へ御案内。 |