雨の少ない梅雨、というのは最近の傾向ですね。もちろん大雨の被害にあった地域もあるわけで、こんなノー天気なことを言うのはよくないのかもしれませんけども、大阪はとにかく暑い7月なかばです。
紫陽花もいつの間にか萎れたクスんだ色になってしまい、この時期はいったい何の花が・・・と思って見回しますと、ポーチュラカ、なんですな。
くっきりハッキリの爽やか原色。
ところがこれ、花が閉じてしまっている時間が結構長くてね、涼しい朝のうちはほぼ休業状態で、外が暑くなってから開店するものですから、なかなか自分の気持ちに合った時間とのズレがあってね、合致してくれない“もどかしさ”を感じてしまいますね。
それでもあのスタンプを押したような色のシャッキリ具合は、元気を盛り立ててくれそうではあります。

W杯も終わり、早や1週間、

祭のあとの寂しさに浸るのはホンの一瞬だったかもしれませんね。
“世紀の頭突きMVP”、
世界中がいまだに彼の蛮行に賛否両論する姿は、喜劇以外の何ものでもないですな。ウッキーはこのような低レベルの論戦に加わるつもりはサラサラございません。世の中には、挑発する奴とされる奴、挑発に乗る
奴と無視する奴、この4種類しかおりません。たまたま、異能の天才プレーヤー・ジダンが挑発されやすくて挑発に乗ってしまいやすい幼稚な人間であったというだけのことでありましょう。
でも、少しだけ彼のことを不運と思ってコメントするならば、フランスのユニフォームが本来のブルーではなくて白であったこと。
Something Blueということが言われ出して久しいですけども、
戦いの場でも冷静になれる青、
そのユニフォームを着用出来ていれば結末は違ったかもしれません。
ジダンは、何か言われて文字通り『頭の中が真っ白』状態で頭から突っ込んで行ったわけですねぇ。
挑発した方のイタリア選手も褒められたものではございませんが、
あのイタリアのBlueは実に美しい青ですね。
何に喩えたら良いのか悩んでしまうほどの微妙な彩度、
それでいて心落ち着くようなトーンは絶品です。
あのような色がダイヤにあれば??
値段は付けられません!

このところ、ブルーダイヤがあまり見られなくなりまして、少し綺麗なものがあると胸ときめいてしまうのですが、
天然ブルーダイヤの良さは何なのでしょうね?

硬質感、氷結感、クール感、スッキリ感・・など等、
これまで使い過ぎて皆さんアキアキしている言葉はよしとしまして、ここで改めて考えてみまするに、
“頭の芯まで来るようなフィット感”
これではないかと。

美しいブルーダイヤを見ると、
ゴチャっとしていた頭の中が整理されたような気になり、
『これか!』『これやな』という気になるわけです。
そのあとに脳の中で奏でられるリズムは、それまでとは違ったものになるはず。
ひょっとしたらその瞬間にDNAが活性化されたかもしれません!

しかし、
青のユニフォームの日本代表がかくも無残に敗れ去ったのは一体どういうことでしょうね。
本当はこんなこと書く予定に入ってなかったのに・・、手が勝手に動いてしまう。メンドウなんで短く済ましましょう、
“ヘタ”!!!
青も白も無関係。
加えて、とにかく濃いも薄いもありまへん、
ハートがない!
こういうことでしょう。

大舞台で、そしてそのゴール前で、何も感じられないプレーヤーにはカラーは不要&無用。
自国の選手を悪くは言いたくないですけども、奴らにはFancy Colorは似合いません。


Blue & Yellow

イタリアーフランスの決勝戦、PK戦を眺めておりまして思い出しましたのが、1994年のアメリカ大会、イタリアはブラジルと決勝戦を戦い、PK戦までもつれ込んで敗退してしまいましたね。最後のキッカーとなったイタリアの誇ったファンタジスタ、ロベルト・バッジオの姿は忘れられないですが、それ以上にあの決勝の映像が実に美しいものであったと記憶しております。
何がそんなに?
イタリアのブルーに対して躍動するブラジルの黄色、そしてそれらのコントラスト。
青が黄色を引き立てるのか、黄色が青を際立たせるのか、
それはどちらでも良いかもしれませんが、
黄と青を混ぜると緑になるように、黄と青の組み合わせは悪いものではなさそうです。

映像でしか見たことないので、ブラジルの黄色がFancy Vivid YellowなのかFancy Intense Orangish Yellowなのか判断しかねるところですけども、
最近このYellowというカラーグレードの関して気がついたことがございました。
彩度の低いYellowは別にしまして、Fancy以上のモノが少なくなってしまった昨今、グレードの範囲がますます狭くなってピンポイントになっているのではないかということです。

だいたいの人が一番好きで一番に綺麗という黄色は、オレンジを感じないレモンの色ですね。
ところが、このレモン色がFancy Vivid Yellowなのかと言うと違うわけです。
綺麗なレモン色は、Fancy Intense Yellow!
レモン色は優しげな甘いトーンですから、Vividにはならないのです。
黄色の一番綺麗な色がインテンスというのは、GIAの基準が少しヘンなのではという意見も出てきそうですけども、Fancy Vivid YellowとFancy Intense Yellowとの違いは何かのかと申しますと、“ギラギラ感”です。Vivid Yellowはどんな場所でもスパークする感じが止むことはないですね。
何がその“ギラテリ”を生み出しているのか?
少し混ざっている赤み、あるいはオレンジ系の様相、
これしかございません。
彩度が高くて明度も高い黄色に赤系をホンの少し混ぜると強烈な色テリのVivid!!!
ですから、このFancy Vivid YellowというのはFancy Vivid Orangish Yellowと紙一重。Fancy Vivid Yellowを買って『結構オレンジっぽいなあ』と思われた方も多いはず。
しかしいずれにしても、この色このグレードにマイナスイメージはありません。
ひたすら明るく照る様子が全開!
太陽やヒマワリのイメージで常に我々を勇気づけてくれそうです。


ドイツの芝は、

滑りやすいのでしょうか?
ピッチでズリッ、またズリッ、というシーンをいつになくたくさん見たような気がします。ベッカム様の負傷もきっとこのドイツ芝のせいに違いない?!

数ある緑の中で、芝の色は少し独特かもしれませんね。サッカー場でもゴルフ場でも手入れが良くされておりますから、何かとてもtreatっぽい気がしまして、ナチュラル感が薄いように思われてなりません。
美しすぎるというのもちょっと考えものです。

さて、
Greenで考えさせられることの多い今日この頃、
当ページの『お預かり逸品』のコーナーに展示してあるFancy Greenを始め、数々のグリーンを扱ってきたウッキーですが、AGT(GIA)のグレーディングに何が不満があると言って、もう一番頭にきて『こいつら絶対に頭オカシイ』と声を大にして言いたいのがGreenのGradingです。
結論から先に言えば、
AGT(GIA)のグレーダーというのは、単に見えた色を数値に置き代えているだけなんですな。

一般的なグリーン系は、主にYellow Green(Green Yellow)と
グレーディングされる以下のようなもの。

 Fancy Vivid Yellow(ish) Green
 Fancy Vivid Green(ish) Yellow
 Fancy Intense Yellow(ish) Green
 Fancy Intense Green(ish) Yellow
 Fancy Yellow(ish) Green
 Fancy Green(ish) Yellow
 Fancy Light ・・・・
 Light ・・・
 Very Light ・・・
 Faint ・・・


以上、大きく分けて28段階のグレードがあるわけですけども、
我々のように極めてノーマルな目の持ち主ならば、Green系のダイヤモンドを見た瞬間に思うのは、『あっ、緑』ということであり、グレードを付けろと言われたらFancy ・・・・Greenと素直に表現します。
これが普通とウッキーは信じて疑いません。


しかしながら、
AGT(GIA)の感性のないバカどもは、28段階のどれに当てはまるか‘考える’わけ。
アホか、お前ら!
考えてどうする!
感じろ!!
とウッキーは言いたいわけです。
普通に目で見てYellowと感じるかGreenと感じるか、これがGradingの第一歩でしょ!

緑という色は極めて多種多彩、
若葉、新緑から深い針葉樹の色まで、
何とも爽やかなGreenから、埃を被ったようなGrayっぽい緑まで、ホント種々雑多。
しかしこれらは皆、我々が“緑に見えている”という大前提があるから“緑”と言っているのであって、誰も『新しく芽吹いた黄色』とは言わないのは至極当たり前のことでございますね。

しかし、AGT(GIA)の大バカヤローどもは違うのです。
普通に緑に見えているものを時に平気で、Fancy ・・・ Yellowとグレーディングする、
これって結局黄色のダイヤです。
黄色に見えるものをFancy ・・・Yellowとするならともかく、緑に見えているものにそのようなグレード付けるとは、それこそ全く“気(黄)狂い”としか言いようないわけです。
キミらねぇ、
カラーカードやマスターストーンに頼っているからそんなことになるのです。
もっと色んなことを見聞きして、感動を覚え、感性を養いなさい、
まったくもう!!


華麗なゴール(Finish)、

と言いますと、やはりアルゼンチンが魅せたワンタッチのパスをいくつも繋いでフィニッシュというのが一番でしたが、
2006ドイツ大会の特徴は、回転しないボール、キーパーの手元で微妙に変化するシュート。これによって、ペナルティー・エリア外からのミドルシュートが突然に決まるというシーンを何度も見ましたね。
守備陣形を嘲うように後方からネットに突き刺さる弾道は美しいラインです。

ダイヤモンドの研磨は、いくつもの過程があるのですけども、最後の磨き(Polish)をfinishと言います。

サッカーでもダイヤモンドでも、美しいfinishは目を引き付けてやまないし、何度も繰り返し見たくなるものですね。

ところで、
カットの良し悪し、Finishの良し悪しはカラーダイヤの美しさにどれほど影響を及ぼしているのでしょうか?
ラウンド・ブリリアントのカット総合評価ということで言えば、この4月からカラーダイヤに関して評価なしということになりましたが、このやり方はどうかと思いますね。一般消費者が研磨状態やプロポーションを判断できる材料が減ったわけで、あまりにも不親切、鑑定屋どもの姿勢は批判されてしかるべきと思います。

そこでますます我々のコメントや主観が重きをなしてくるわけですが、
ラウンド・ブリリアント、変形、いずれにおいても一番重要なのはシンメトリー(対称性)でありましょう。
シンメトリーのキッチリと決まっているものは文句なく美しいですし、反対にズレが一目で感じられるものは、たとえカラーが優れていても興醒めしてしまいます。
このシンメトリー、これが美しいものの一大前提ですね。

そして、次に重要なことは、
カットの様相や形がダイヤの色に相応しいものであるかどうか、
これも大きなポイントです。
時おり、半円形や台形、平行四辺形のような形にカッティングされたカラーダイヤを見かけますけども、数学の時間ではありますまいに、こういうのは是非ともお止め願いたいですな。数学に弱かったウッキーから切にお願い申し上げます。いやまあそのような形は理屈抜きにカラーダイヤにそぐわない美しくないわけで、やはりカラーダイヤの格調や高級感を一番引き立てるためには、ラウンド・ブリリアント他スタンダードな形が良いと思いますね。

これら2つの大前提のもと、
美しいカットがどんなものかであるか申し上げますと、
やはりミドルシュートと同じなんです、美しいラインを描けるかどうか。
これは直線でも曲線でも言えること、そしてプロでなくても分かることですね。

例えばマーキース、
これは一番分かりやすいと思われます。
両端が鋭く尖っているかどうか、そしてその鋭角が十分に美しいものであるかどうか、更に、曲線が程よい丸みを帯びているかどうか。
これらが観察のポイントですね。

直線ばかりのプリンセスカットはどうなのか?
ラインの方向がポイントです。
何本ものカッティングラインが見えます。反射がありますから実際にカットされた数よりも多いラインです。それらは単に90度の角度を保って縦横に伸びているわけではございませんね、いくつもの方向へ伸びておりますけれども、それらの方向が統一感のあるものかどうか、そしてテーブル面とファセットを隔てるラインにクッキリとした鋭利な様相があるかどうか、これらがポイントかと思われますね。

お手持ちのダイヤモンド、
たまには研磨状態を眺めて楽しんでみて下さい。


燃える色は、

やはり赤なのでしょうけども、赤のユニフォームでW杯上位チームというのはこのところ少ないように思いますね。日韓大会の韓国は例外中の例外?
サッカーという高度な戦略的なスポーツ、熱いハートは必要最低限なものですが、やはりそれだけでは勝てない!?

日本代表が国旗の赤をどうしてユニフォームに基調としないのか?
ちょっと不思議な気がしますが、確かに以前はそういう時期もあったようです。しかし同じアジアで中国や北朝鮮などの共産圏が赤を使っていたこともあり、混乱を避けるために現在の青になったとか。
ちなみに、胸のエンブレムの“八た烏(やたからす)”、
ご存知かな?
伝説では、神武天皇の東征の道案内をしたとされておりますね。中国でも、太陽のシンボルとして扱われているそうで、これはまさに『日出ずる国』の象徴!

REDというグレードがひところAGTから乱発されまして、値打ちが下がってしまったなんていうこともございましたが、ピンクやブラウン、オレンジ等の色々な赤系ダイヤを見てきて思ったことがあります。
‘赤系で一番美しいのがFancy Redではない’
ということ。
赤系で一番美しい色は?
ウッキーはFancy Vivid Purplish Pinkだと思いますし、人によってはVividはちょっとドギツ過ぎて・・・というところから、Fancy Intense Purplish Pinkが一番とおっしゃる方も。

Argyleがこの秋のテンダー用の商品をAGTにグレーディングお願いしたというNewsが入って来ておりますが、ArgyleがAGTに肩入れする理由は言わずもがな、でございますね。

そのAGTが乱発したFancy Redのいつくかを見ましたが、‘Beautiful’とはとても云い難いものばかり。
どうしてなのか?

ここで皆様のノーマルな感性でもって感じてもらいたいわけです。
赤黒いようなREDにしろ、本当の真紅にしろ、それらが実際に美しい色なのかどうかということですね。
我々は、単にFancy RedとGradingされるものが少ないということでFancy Redが赤系ダイヤの最高峰なおかつ最高値と思ってきたけれども、それは果たして正しいことなのかどうか?

確かにAGTは愚かにもREDを乱造しましたけれども、AGTのグレーダーたちは美しいから高値だからという理由でFancy Redとグレードしたわけではないのですね。Fancy Redというマスターストーンがあって、それがたとえArgyleからプレゼントされたものであったにせよ、マスターストーンの色とほとんど同じ色であったからRedと付けた、それだけのことです。

Red = 究極の美 = 最高値の赤系
と勝手に解釈しているのは我々業者と一部のコレクターのみ。
ちょっとした喜劇かもしれません。

RedでなくてもReddish的なダイヤは結構多いもので、それらはブラウンーオレンジ系の中に時おり見られます。
また、本当の赤というのは実際には怖い色ではないでしょうかね。何かが迫り来るような切迫したようなね。

“燃える”
と称される色は、赤系であっても真紅ではないかもしれません。
赤光りしているようなブラウン系、奥の方から盛り上がってくるものがあって、紫外線で強い色に変わってくるような気がしますから、これもひとつの燃える色とも言えるでしょう。いえ、このような色こそ燃える力を持続させてくれるように思いませんか?
真紅はどうも最後の血の一滴まで絞り取られそうなイメージやね、やはり何となくシンドイ色ですな。

赤系くらい評価と好みが分かれる色はないでしょうね。
極端な話、Light Pinkであっても十分魅力的!
どうか市場の値段に惑わされることなく、ご自分の赤系をしっかりと持っていただくことを切にお祈りいたします。


勝者の歓喜、

どのようなスポーツイベントでも優勝した瞬間の勝者の輝く姿には感動を覚えるものです。
鍛えられ、選ばれ、卓越した技と精神力を発揮した者のみが得られる歓喜!

けれども、人それぞれに喜びの表情があるように、
カラーダイヤにも歓喜の笑顔があることをご存知でしょうか。
その笑顔は多分に見る人の感性に左右されるものです。
カラーダイヤを美しいと思えるのは美しいと思えるハートを持っているから。

そして、
美しさを感じられる人は、グレーディングの言葉に反応するのではなくて、実際の色、ダイヤモンドが持っているそのままの色に感応するのです。

紙吹雪の舞うベルリンの競技場、
イタリア選手たちの歓喜を見て素直に感動したUKI氏でございました。





◆ Back Number ◆
第20話 UKIカラーで綴った枕草子
第19話 古今和歌集ダイヤモンド語訳
第18話 2006W杯 × Fancy Color
第17話 That's Baseball
第16話 トリノの余韻
第15話 “The Aurora butterfly of Pease”
第14話 Fancy June ...
第13話 ウッキー夜話
第12話 『春のダイヤ人気番付』
第11話 2003年 南船場の秋
第10話 「白シャツ」と「白ダイヤ」にご注意。
第9話 初詣
第8話
第7話 日本の色
第6話 オリンピック随想
第5話 お正月に想う
第4話 ブルーダイヤ、高価とは聞いておられるでしょうがどれほど高価なのか・・・
第3話 同じ赤でもピンクダイアとルビーではかなり色に違いがあります・・・
第2話 新しい「誕生ダイアモンド」なるものを設定・・・!!
第1話 『fantasy』で『fantastic』な『fancy world』へ御案内。