◇◆ ファンシー ストーリー第14話 ◆◇ |
時代の変化にばかり気を取られ、花の季節や若葉の頃を大して感じることもなく、気がつけばもう6月。 移りゆく四季の中に身をゆだねて自然の美しさに浸ることのできる貴重な時間がどんどん少なくなっている昨今かもしれません。 そんな時代ですから、いっそう色彩(いろどり)を大切にしたいと思います。 |
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桜の花びらが散る瞬間を今年はご覧になった方も多かったのではないでしょうか、寒さが続いて、いきなり暖かくなって、パッと満開になりましたから。桜というのは花びらが枝から離れる瞬間が最も美しいという気がします。その時をスロー再生のように肉眼で見ることが出来たならね、どれほどファンシーなことか。 |
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『菜の花畠に入日薄れ、見渡す山の端霞深し・・・』 中島美嘉が歌って再び表舞台に登場の文部省唱歌“おぼろ月夜”。 作詞者は、信州の春、ゆっくりした時間の経過を歌詞にしたということですが、聞いているだけで日本の春を体感できそうな美しい詩とメロディー、そしてイメージとしては当然夕刻であるはずなのに、しっかりと色彩が感じられる不思議、いや、それどころか、菜の花の黄色がトワイライトのスポットを浴びてIntense Yellowに輝いているかのような印象ですね。 |
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菜の花は近くで見るよりも少し離れて眺めた方が綺麗だと思います。そして、そのインテンスなイエローは何とも程よい彩度、これがVividになると目に痛い、Orangishでは強過ぎる。優しく包んでくれそうな菜の花のイメージを言葉に表わせば・・・Fancy
Clean Yellow?! 駈け寄りダイブしたい。 4月5月、大阪の降水量は平年の半分だったとか。ホント爽やかな気候が続きました。 そして6月、ファンタスティックな話題のトップは何と言ってもサッカー日本代表が見事ワールドカップ出場を決めたこと。 本当に良かったですね、予選の間ず〜っと苦しみ通しだったような印象が強いですから感動もひとしお、そして尚且つ世界最速で決定というのが気持ちいいねえ、何でも1番がええのや! 1年後には是非とも前回大会を上回る戦績を上げてもらいたいですね。 ところで、サッカースタジアムのFancyな色彩というのを皆さんは意識されたことがおありでしょうか。カラフルなユニフォームのことではありませんし、日本や韓国の青一色赤一色のスタンドのことでもありません。 しからば何か? と申しますと、 “ファンタジスタ”と呼ばれるプレーヤーのこと。 イタリア語のfantasistaがこれにあたるのでしょう。 最近使われるようになった言葉なので、定義があるという訳ではないそうですが、fancy、fantasyというような英語と語源を同じくする単語であることは間違いなく、豊かな創造力と華麗なテクニックでファンタスティックな場面を作り出し、味方を勝利に導くフィールドの花という意味ですね。 フィジカルの強さや戦術に頼るのではなくて、一つのプレーで局面を変えてしまうことの出来るVividな色彩を放つプレーヤー。サッカーファンならずとも溜息が出そうという選手。過去におけるマラドーナとかロベルト・バッジオとかですな。 マラドーナの‘神の手’は過去のW杯関連番組があるたびに繰り返し放映されますし、1994年のアメリカ大会で数々のファンタジーを演じた後、決勝のPK戦で最後のキッカーとなってしまってガックリとうなだれるバッジオの姿は、fantasisitaとしてホント絵になる姿でございました。 彼らfantasisitaは、ある面で優れたダイヤ研磨職人に通ずるところがあります。石ころのような原石を見事なカッティングで宝石に仕立て上げる研磨職人。これ同様に、ファンタジスタは、キツーイ戦いの場に花を咲かせ、一瞬の花畑をフィールドに見せてくれるような気がしますね。 来年はどんなファンタジスタが登場してくれるのか、日本代表の活躍とともに新しいfantasisitaのプレーを心待ちにしたいですね。
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もともと日本人は雨の恵みで生きてきたという側面が大いにある、雨と雨音で心を鎮めた後は、雨降って地固まる、雨上がりの日差しにフレッシュな気分を取り戻せることもしばしば、なのではないでしょうか。 ジトジトじめじめばかりが日本の6月じゃない、 ・ ・ ・ 中国古代、春秋戦国時代のFancyなお話、 |
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さて、上記リストに並んでいる玉、石、珠、盤、 今年の11月が来ますと、ウッキーはダイヤモンドバイヤーとしてデビューして20周年を迎えるのですが、この間に多くのダイヤに接し、色んな思いでもってダイヤを見つめて参りました。 古代中国のお話をするまでもなく、お宝がお宝である所以は、その秘められたパワーの他、人目に触れさせぬ秘匿性にあるのではないでしょうか。どんなに希少性が高いものでも、どんなに美しいものでも、それが常に誰でも見ることの出来るものは宝とは言わない、そんな気がしますね。例えば、正倉院御物。昨秋、奈良国立博物館の正倉院展に行ってきたウッキーでございますが、まあしかし日本人の知識欲と好奇心は凄いものですね、あんな“ガラクタ”見に大勢の人が朝から詰め掛けてね、ギュウギュウ詰めの会場、周りの言葉を聞いておりますと、関西エリアでない人もかなりいる、遠いところからホンマご苦労様でんな、古いだけでロクでもないものに蟻の如く集まってね。縞模様にデザインされた宝石箱のようなものとか、やんごとなき人が座したに違いないであろう椅子、笛のような楽器、etc.、そんなものがどうした!? 正倉院はシルクロードの終点などというカビが生えてそうな言葉を使うのも憚られるお粗末展示品の数々。かの有名な蘭麝体(らんじゃたい)でも見せてくれたら満足したかもしれませんが、そのようなホンマに大事なものは決して見せないのが展示会というものの正体でございますね。一番感動したのが常設展示の縄文式土器というのは仕方のないところ?! ウッキーと同じ思いを持った人が圧倒的だったと確信しますが、ホンマにもう、国と博物館はワシら大衆を舐めておるゾ! バカにするのもいい加減にしやがれ!! と、まあ、いずれにしましても、お宝というのは日ごろ厳重パックされて埃被って‘奥の方’に入れられているものですな。これに対してのジュエリー、宝飾というのは読んで字の如くでありますね。宝を飾る、宝で飾る、宝を見てもらうために飾り付ける、というのが本来の姿。人が身に付けられないものや飾れないものは決してジュエリーではないし、宝飾たるものはその宝の値打ちとともにデザイン的に優れたものでないといけないし、見る人に何がしかの共感を与えられるものでないといけない、これはウッキーが言葉に表わさなくとも誰もが思っていることでございましょう。 下の写真をご覧下さ〜い。 |
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Palちゃんは明らかに、この特注ダイヤモンド・ブレス&ピアスを見せたいっちゅうポーズやね。 ウッキーの個人的な趣向を言わせていただけるなら、こういう口の大きめの女は好きやないし、女がこのように髪をかきあげるポーズも好みません、特に理由はないのですが、いわゆる生理的に嫌い、好かぬというやつでんな。 まあそれはともかく、 世の女性の皆さんは『お金があったら、もっと素敵なもの身に付けるセンスあるわよ』とかって思っておられる人が多いに違いないでしょうが、なかなか簡単にゆかないのが宝飾の難しいところ、下手すれば誰かさんのような醜悪そのもののチンピラファッションになる。 しかしね、こんなアホは日本にしかおらんやろと思っていたら大間違いでございました。な、なんと、ダイヤモンドジュエリー屈指の伝統国であるイギリスにも。
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100個のメレダイヤがお茶の葉とともにティーバッグの中に入っていて、ティーバッグの外側にもメレが80個もセッティングされているとか。String(ひも、糸)はホワイトゴールドだそうです。 さ〜て、 そして最後にもう一つ、 ファンタジスタはサッカー選手だけではありませんし、ファンシーなのはカラーダイヤだけではありません。 |
◆ Back Number ◆ | |
第20話 | UKIカラーで綴った枕草子 |
第19話 | 古今和歌集ダイヤモンド語訳 |
第18話 | 2006W杯 × Fancy Color |
第17話 | That's Baseball |
第16話 | トリノの余韻 |
第15話 | “The Aurora butterfly of Pease” |
第14話 | Fancy June ... |
第13話 | ウッキー夜話 |
第12話 | 『春のダイヤ人気番付』 |
第11話 | 2003年 南船場の秋 |
第10話 | 「白シャツ」と「白ダイヤ」にご注意。 |
第9話 | 初詣 |
第8話 | 秋 |
第7話 | 日本の色 |
第6話 | オリンピック随想 |
第5話 | お正月に想う |
第4話 | ブルーダイヤ、高価とは聞いておられるでしょうがどれほど高価なのか・・・ |
第3話 | 同じ赤でもピンクダイアとルビーではかなり色に違いがあります・・・ |
第2話 | 新しい「誕生ダイアモンド」なるものを設定・・・!! |
第1話 | 『fantasy』で『fantastic』な『fancy world』へ御案内。 |