◇◆  ファンシー ストーリー第10話  ◆◇


夏、
今年は冷夏と言われておりましたが何のその、8月になってギンギラギンの暑さが戻ってまいりました、都市部ではコンクリートの照り返しもありますから気温以上の熱を感じますね。緑の少ない大阪市内は格別、時折クラクラしながら歩いておりますが、
そんな時にフッと頭をよぎる記憶は・・・青地の布に‘ラムネ’や‘氷’という文字、そのようなものがぶら下がった古い木造家屋の軒先、
‘すだれ’や‘よしず’の間に風鈴が揺れていて、涼しい木陰を作っている大きな木からひっきりなしに蝉の声・・・日本の夏ですなあ。
イメージ  最近は異常気象続きのせいなのでしょうか、夕立に遭って、ということもほとんどなくなってしまいましたね、夕立どころか朝立ちに悩まされる事も少なくなりウッキー個人としては実に寂しい限り・・いや、まあ、その・・・、
小学生の頃、プールで友達とはしゃいでいる真っ最中にアッと言う間に黒雲が空を覆ってしまって遠雷が聞こえ出し、
あわてて帰宅したという経験をウッキーと同世代の方は誰しも持っていることと思います。『あーもう、腹立つ・・』という気持ちと夕立の後の涼しさ、スイカやトウモロコシを片手に天然クーラーの微風を感じ、その風の中に含まれていた独特な夏の匂いを懐かしく思い出します。
匂いと言えば、蚊取り線香の香りと煙たさ。子供の頃あれが好きで好きでたまらなかったという方は余りいらっしゃらないでしょうが、『金鳥の夏、日本の夏』というテレビのコマーシャル、あれは夏の風物詩のひとつではなかったかと思います。ドドーンと花火の効果音が入ってね、最近でもまだやってるのかな、あれをテレビで見ると、ああ夏や、と思ったものです。
皆さんの夏のイメージはどんなものでしょう、また機会があればぜひともお聞かせください。

夏はイベントも盛りだくさんですが、ウッキーはやはり・・
♪雲は湧き、光あふれて、天高く純白の球今日ぞ飛ぶ・・・、
夏の甲子園。
もちろん虎も熱い戦いの真っ最中ですが、高校生の方です。
甲子園は出ておりませんが、元高校球児のウッキーにとっては自らの原点なのです。白球と共にあった高校生活がなければ今の自分もないだろうとか思ってしまう真夏の日々、でも、やってる最中はもちろんそんなこと考えもしなかった、練習前や試合前、‘光あふれる’どころか照りつける太陽でグランドが真っ白に見えましてね、あの中で熔けてしまうのではないかとウンザリしたものです。楽しかった事よりもしんどい思い出が圧倒的、タイムスリップして、もう一度高校生に戻してやるから野球をエンジョイすればと言われても、『どうかご勘弁を』と答えるに違いないし、ほとんどの元高校球児が同じような反応だろうと確信します、それでも、いざ出陣となると白球に向かって全力プレー、そんな姿が多くのファンを作ってきたのでしょうね。

ところで、もしも、あの野球のボールがテニスのように黄色だったとしたら、あるいはサッカーのように白黒の模様だったとしたら・・・と考えてみた事はないですか?
あり得ないですが、もしそれが現実なら、高校野球が真夏のイベントとしてトップに来るということにはならなかっただろう、
そんなふうに感じます。
イメージ
“白球を追う”というイメージが球児とファンを引き付けて来たのだろう、そんなような気がします。
インパクトの強い白、その大きな事例のひとつでしょう。

白、
黒もそうですが、これらは本来カラー(色)ではなくて明暗なのだ、と
中学の美術の時間に習った記憶がありますが、昨今では色として、 いわゆる自らのカラーを出すためにそれらを使っている方が多い、と感じます。
イメージ 初夏からこちら、女性の服装がどんどん夏らしくなると共に白いスカートや Tシャツ、ブラウス姿が目立つようになる。白というのは丸みを強調しますからセクシー度UP、ウッキーなど正常な男性の視線はついつい引き付けられてしまいますね(男ども、しっかりと頷いてるやろな)。白い服装を選択する女性がどの程度
そのような男性の視線を意識しているものなのか、一度聞いてみたいと思うのですが・・スケベと思われるのも嫌だしね、なかなか勇気が出ません、と言いつつも、しっかり書いとるやないかとツッコミを入れられそうですね。スケベついでに、もう一つ付け加えますと、流行のヌーブラなるものを装着して露出度を上げ、谷間をクッキリ見せるよりも、あるいはカラフルな下着を付けているのをわざと見せつけるようなファッションよりも、‘きちんと’白い服装を着こなして柔らかい曲線を出し、下着のラインが若干透けている方がはるかに色っぽいと感じます。そのような着こなしプラス黒い髪をアップにして白い襟足を見せられたら、世の99%の男はクラクラ倍増、余計に熱い夏になる?!

そのように女性の白は男性に好評なのですが、逆に男の通勤制服・白いカッターシャツは女性に不評のようですね。
ファッションデザイナーの横森美奈子氏が新聞のコラムで語っていましたが、白というのは非常に難しい色なんだそうです、肌色の見え方をとても左右してしまうから、まず顔色をよく見せることはないし、特に蛍光灯のオフィスでは不健康な印象となる、とのこと。
女性なら化粧によって何とか出来るし、また実際そう気になることも少ないですが、横森女史が言うように、ウッキーなどの世のオッサン族は本当に気をつけねばなりませんね。逞しく日焼けしておれば良いですが、そんなオッサンは稀、たいていは仕事に疲れ人間関係に疲れて不健康極まりないのに白いシャツを着て益々それを助長しているとは。
そう思って‘白シャツ’の男どもを観察すると、いや、それにしても、いるのいないの、自慢じゃないがカラーダイヤ屋のウッキーは当然ながら白シャツなんて冠婚葬祭以外には着ません、恐らく“無難”“定番”というだけで選択しているのでしょうが、ひと目で安物と判る昔ながらの白シャツ族の多いこと多いこと。ロクな知識も持たずに預金を集めてくることしか能のない銀行屋の営業なんてやつらは、ご丁寧に白シャツの上にダークスーツ、このクソ暑い最中にお前らの姿見てるだけで夏バテになりそうや、なんとかしろそのカッコ、と
言いたくなります。

イメージ 白いシャツが似合っているのはしっかりと日焼けした若いやつら、全く横森氏の言う通りオッサン族は白とのコントラストでシミや皺の目立つ汚い黄色い肌が一層目立っている、体全体から不健康の臭いが漂っているようです。ただでさえ娘から『おとうさん、クサイ!』と言われ、世の中の悲哀を味わっているオッサン属なのに・・・、これ以上クサイことはいけませんね。
まあだいたい、銀行屋に限らず、日経新聞をバイブルのように持ち歩いて、その受け売りをご大層に喋る人種が“白シャツ族”なんですが、シャツからしてこのような『事なかれ主義』ですからね、改革とか新しい発想なんてものが虚しい響きとなってて当たり前ですなあ。

想像してみてください、白シャツと不健康そうな顔が並んだオフィスが色とりどりのカラーシャツで賑やかになったら・・、ムードが一変することは太陽が東から昇ることと同じくらいに明らかです。世の中、所詮ムードです、ムードが良くなれば発想も多様になる、いずれ事態を打開するヒットが出ることも期待できる、そうなって経済が良くならないはずがない、そう思いませんか。 景気回復は安モンの白シャツを捨てるところから。
営業マン諸君、イトーヨーカドーやサトウココノカドーなどのスーパーで500円や1,000円で買った、ひと目で安モンと判る白シャツを脇の下まで汗で濡らして歩いているのは貧相極まりない、あの定番白シャツは汗をかくと地肌が完全に透けるから醜さも一層強調されていることに早く気が付いて下さい。 そして、蛍光灯の下で不健康な顔を際立たせているバカ管理職ども、汗に透けてる安モン白シャツが自分への忠誠の印なんて考えていたら先に首切られるのは己の方やでえ。

・・・・・

蛇足ながら、
最近、Fancy WhiteなるAGTのグレード付きのダイヤが時折オークションなどに登場しておりますね。なんぼ白が良いと言っても、あれはお止めになった方が賢明です。
何故ならば、あれはカラーがWhiteなのではなくて、単に白濁しているだけ、言ってみれば死んだ魚の目。どうして真っ白に見えるかと言うと、ダイヤ丸ごとインクルージョンの塊、テリと輝きは皆無、透明感は全くありません。
何度も言いますが、ダイヤの命はテリと輝き、この夏の日に高校球児が輝いて見えるように、本来の宝石の姿をしっかりと認識してください。


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第20話 UKIカラーで綴った枕草子
第19話 古今和歌集ダイヤモンド語訳
第18話 2006W杯 × Fancy Color
第17話 That's Baseball
第16話 トリノの余韻
第15話 “The Aurora butterfly of Pease”
第14話 Fancy June ...
第13話 ウッキー夜話
第12話 『春のダイヤ人気番付』
第11話 2003年 南船場の秋
第10話 「白シャツ」と「白ダイヤ」にご注意。
第9話 初詣
第8話
第7話 日本の色
第6話 オリンピック随想
第5話 お正月に想う
第4話 ブルーダイヤ、高価とは聞いておられるでしょうがどれほど高価なのか・・・
第3話 同じ赤でもピンクダイアとルビーではかなり色に違いがあります・・・
第2話 新しい「誕生ダイアモンド」なるものを設定・・・!!
第1話 『fantasy』で『fantastic』な『fancy world』へ御案内。